私の事務所の代表(日本人男性)の釜山ソウル・大阪10日間の最新韓国旅行記。シリーズ連載3回目は、大阪港~釜山港を結ぶ国際定期フェリーパンスタードリーム号」で釜山に上陸後、彼が訪れた釜山旧市街での飲み歩きレポートだ。

■釜山旧市街、久しぶりのほろ酔い散歩

 お昼どき、チャガルチ市場の大衆食堂でクッパの具をつまみにマッコリを1本乾す。残った汁にごはんを入れてかきこむ。店を出るとき初老のオヤジに、「3年8カ月ぶりに釜山に来ました。旨かったです」と言うと、初めて笑顔を見せてくれた。このとき久しぶりの釜山に受け入れられた気がした。

 チャガルチアジュマと呼ばれる市場の姉さんたちは快活だが、昔ながらの釜山サナイは無骨だ。

チャガルチ市場の大衆食堂で食べたソンジクッ。ソンジ(豚の血の煮凝り)、モツ、ニンニク、唐辛子を体に入れると、心身が韓国になじんでくる

 シアホットックの甘ったるい匂いが漂うBIFF広場や光復路、国際市場をほろ酔いで歩く。

 2000年にソン・ガンホイ・ビョンホンイ・ヨンエ主演映画『JSA』を観た釜山劇場は西側のビルに移転してMEGA BOXになり、見る影もなかった。あの頃は劇場前でイカ焼きを売っていて場内にはイカの匂いが漂っていた。

国際市場で逢いましょう』の撮影に使われた「コップニネ」(ラ・ミラン扮する、主人公の叔母が経営する雑貨店)は、観光客が休憩するあか抜けないカフェのままだった。

2000年に『JSA』を観た釜山劇場とBIFF広場。当時はBIFFではなくPIFFと表記していたはず
国際市場の北端にあった飲み屋「コチャンチプ」は、テレビ番組『世界入りにくい居酒屋』の取材でお世話になった店だが、一昨年廃業した
釜山タワーの展望台から旧市街の西側を望む。中央の左右にのびているアーケードが国際市場