数多くのドラマや映画のロケ地となっている、韓国南西部の全羅北道(チョルラプッド)。

 パク・ウンビン主演『恋慕』(全州)、ジュノ2PM)主演『赤い袖先』(全州、南原)、キム・テリナム・ジュヒョク主演『二十五、二十一』(全州)、ソン・ガンホ主演『王の運命─歴史を変えた八日間─』(南原)、パク・ボゴム主演『雲が描いた月明り』(全州)、チュ・ジフン主演『宮~Love In Palace』(全州)、パク・ミニョン主演『トキメキ☆成均館スキャンダル』(全州)、パク・ヘイル主演『群山』(群山)、ハン・ソッキュ主演『八月のクリスマス』(群山)……など、数々の名作の撮影が行われた。

 この全羅北道は、韓国有数の美食エリアとしても有名だ。今回はソウル釜山の次のステップとして、他の地方都市に行ってみたいと思っている人のために、美食の都、全州(チョンジュ)を中心とした全羅北道の食の魅力をお伝えしよう。(記事全2回のうち前編)

全羅北道の中心都市・全州の観光拠点、韓屋マウル(伝統家屋街) 
韓屋マウル南西部にある慶基殿(キョンギジョン)では、『ミスター・サンシャイン』『ザ・キング:永遠の君主』、『雲が描いた月明り』など、多くのドラマや映画が撮影された
昨年12月に東京で開催された「2023全北観光フェスタ」では、全羅道で撮影されたドラマや映画が紹介された。写真は南原市の広寒楼苑で撮られた作品の紹介スライド

■ペッパン/定食(全羅北道各地)

 肥沃な穀倉地帯と干潟を擁する全羅道(全羅北道と全羅南道)は、食材に恵まれ、農耕文化を背景に分かち合いの精神が発達しているため、食べ物が美味しく、もてなし上手が多いことで有名だ。

 映画『タクシー運転手 約束は海を越えて』の序盤では、ソウルから全羅道を訪れた主人公(ソン・ガンホ)が、住民から施されたおにぎりをほおばりながら、「全羅道は食べ物が最高だっていうが、本当だな」と言うシーンがあった。これ全羅道の米と塩の旨さを表している。また、中盤では、知り合ったばかりの地元民の家に招かれ、お膳いっぱいの料理でもてなされるシーンもあった。

 全羅道の食の豊かさを実感できる場所のひとつが大衆食堂だ。高価な韓定食(宮廷料理などのフルコース)が豪華なのはあたりまえだが、7,000ウォン程度のペッパン(日替わり定食)のおかずの質と量はソウルや釜山ではまず見られない。昼どきの市場で賑わっている大衆食堂があったら迷わず入ってみてほしい。

 全州の中央市場の人気大衆食堂「サンニ食堂」の定食は、諸物価の高騰で最近値上がりしたが、それでも7,000ウォン。主菜は魚とダイコンのスープ。キムチナムルがたっぷり添えられ、野菜不足が解消できる。

『孤独のグルメ』韓国出張編に登場した全州の「トバン」という店も、じつは大衆食堂。写真は五郎さん(松重豊)が食べたチョングッジャン(納豆チゲ
『孤独のグルメ』に登場した全州「トバン」のテジプルコギ豚肉炒め)